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This is not me. But I want to be with you.

 


この度は、絵画展「いつか見た光が向かう方へ」にお越しくださり 本当にありがとうございました。

この展示は、昨年の4月に行った 前回の展示から1年半の間に、

「光を描く」ということをテーマにして制作した作品 約20点を並べたものです。

明るい絵を描き始めた前回の展示を通して僕は、

その先も変わらず続いていく日々の中で 尚も光を描き続ける意味を知りたいと考えるようになりました。

 
例えば 歩き続ければいつかきっと抜ける暗がりの先で、

「自分には何もない」という空っぽを手放したとしても、「自分がいなくたって誰も困らない」なんて一人ぼっちから離れたとしても、

日々を生きる上での生きづらさや理不尽の雨は変わらず目の前にやってくる。

けれど、甘えが通じなくなったその場所から自分たちは、自分の足で立って歩いて行かなくちゃいけないから、
安心できる暗さを離れた後も変わらず、光を描き続けていられる術が欲しい。

そんな想いをもって制作する中で僕は、自分が届きたくて、そして、これまで自分が描こうとしてきた光は、

何か特別になるために必要なものでも、目指していた憧れになれたら得られるものでもないと感じました。

 

自分が描きたかった光とはきっと、どこか明るい場所に立てたから描けるものではなく、

立つ場所の明るさに関係なく、絵を描くことを通してそれだけ強く「生きたい」と願い叫べるかという想いそのものだった。

 

自分はそうして描ける光を、生まれて消える命の中で全うさせたくて、

一人ぼっちから離れた今も、そしていつか立ち止まってしまうような時も、自分の歩く指針として ずっと自分の隣にあって欲しいと思う。

 

 

この展示でカタチになった作品たちが、どうか見て下さった方の心の糧になり、今を生きる僕たちに寄り添えるものでありますように。

 

 

 

2015.12.12  幸山将大 

 

(このテキストは、展示後、コンセプトとして制作したものです。)

 

date: 2015.9.5[Sat] - 9.13[Sun]

place: pieni deux

「いつか見た光が向かう方へ」 

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展示風景 / exhibition view

 

 

展示中の写真たちです。期間中の空気が少しでも伝われば。

木漏れ日の心地よい、ほんとうに素敵なギャラリーでした。

 

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