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まだ嘘つきなあなたへ / Dear the boy who cried wolf.

Dear the boy who cried wolf. Don't cry. Go anywhere.

 

本日は、アクリル画・ドローイング展「まだ嘘つきのあなたへ」にお越し頂きありがとうございます。

この展示は、3月までに行った二回の展示の後の5ヶ月で、自分を通して見えた景色を作品としてまとめたものです。

前二回の展示を通して、今まで自分のためでしかなかった絵の向こう側に、確かに人がいてくれることを実感することができました。

そのため、今回の展示は、もし実際に絵がその向こうの側にいてくれる人のためにあって欲しいのなら、自分に何ができるかという事を考えながら行いました。

もし、そこに人がいてくれたとして、

自分が人に見てもらいたくて、

自分が人に差し出せるものなんて、

「自分が弱い人間で、だからこそ絵を描いている」という事くらいだと私は思います。

だから、そういう私的な意味では、今回の展示のタイトルはそのまま自分に向けてのものですし、自分と同じような誰かに伝わってほしいというエゴです。

 

例えば、自分のことを嫌いな人間は、「ただ生きる」という事が、多分出来ない。

自分の弱さや汚さをただ見つめて生きる事が、出来ない。

自分を信じれなくて、自分を認められない人間は、

自分を諦めて心を塞ぐか、何かが変わると思いながら前に進む事しか、出来ない。

しかし、これ以上自分を嫌いにならないための手段が前を向くことしか無いのなら、

諦め続けることができるほど強くはない僕らは、

まだ嘘つきでしかない自分を許さなくてもいいし、

まだ嘘つきでしかない自分を、無理に受け入れようとする必要はないと思う。

「まだ」を信じれる限り、僕らが嘘をつく価値はまだあるから。

いつか何かを変えられる日まで、

まだ本当にできていない嘘を、つき続けていけば良い。

 

どうか、この展示の何かしらの作品が、見て下さった方の心に届きますように。

 

 

2013.9.1 幸山 将大

 

(このテキストは、展示コンセプトを一部修正して転載しています。)

 

date: 2013.8.31[SAT] - 9.8[SUN] ※9.14[SAT]まで延長しました。

place: zerocafe

 

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